「第10回竸基弘賞授賞式」開催報告

「第十回竸基弘賞授賞式及び記念講演」開催報告

国際レスキューシステム研究機構は、2015年1月23日(金)、20年前の阪神淡路大震災で大きな被害を受けた地、神戸市で「第十回竸基弘賞授賞式」を執り行いました。

(上写真左:技術業績賞の表彰、右:左から、学術業績賞昆陽氏、学術業績賞深尾氏、心理学部門選考委員長皆藤先生、竸恵美子氏、医学部門選考委員長小池先生、医学部門業績賞近藤氏、松野副会長、特別賞功績賞高森氏、田所会長、技術業績賞岡田氏、心理学部門業績賞若島氏)

今回の受賞者は、竸基弘賞学術業績賞が東北大学大学院准教授の昆陽雅司(こんよう まさし)氏と神戸大学大学院准教授の深尾隆則(ふかお たかのり)氏、竸基弘賞技術業績賞は㈱日立製作所主任研究員の岡田聡(おかだ さとし)氏でした。

昆陽氏は「能動スコープカメラの基礎と応用技術に関する研究開発」、深尾氏は「情報収集飛行船ロボットシステムに関する研究」、岡田氏は「過酷な実環境において狭隘部進入・安定索引の双機能を実現するH-I型形状変化ロボットの研究開発」で顕著な功績が認められ受賞となりました。

本年度は、阪神大震災から20年、竸基弘賞設立から10年の節目の年であることから、学術業績賞、技術業績賞に加え、医学部門業績賞、心理学部門業績賞を設けることと致しました。

医学部門業績賞は国立病院機構災害医療センター教育研修室長(厚生労働省DMAT事務局次長)の近藤久禎(こんどう ひさよし)氏、心理学部門業績賞は東北大学大学院准教授の若島孔文(わかしま こうぶん)氏が受賞されました。

また、今回は、レスキュー工学の創始と発展に関する多大な貢献とレスキューロボットの実用化に関する長年の功績を讃え、神戸大学名誉教授の高森年(たかもり とし)氏に特別賞功績賞が授与されました。

(上写真左:左から、レスキューロボットコンテスト奨励賞受賞チーム代表、田所会長、竸恵美子様、松野副会長、ロボカップジュニアIRS賞受賞チーム代表、レスキュー工学奨励賞吉本氏、右:昆陽氏の講演)

学術業績賞受賞と技術業績賞の受賞者には副賞30万円(深尾氏と岡田氏には副賞15万円)と表彰状、そして記念トロフィー(アート・グラス・クラブ制作)が、医学部門業績賞と心理学部門業績賞の受賞者には副賞30万円と表彰状と記念盾、そして特別賞の受賞者には副賞の5万円と表彰状と記念盾が、それぞれ竸恵美子氏(竸基弘氏のお母様)と選考委員の先生方より授与されました。

また、学生等さらに若い世代を対象とした奨励賞(ロボカップジュニアIRS賞受賞者:「花鳥風月」の竹間義明氏、佐藤潤一氏、レスキューロボットコンテスト奨励賞受賞者:大阪市立都島工業高校「都工機械電気」の玉井大樹氏、栄良樹氏、大戸彰馬氏、徐笙太氏、赤西慧士氏、寺西英記氏、邊牟木況次氏、レスキュー工学奨励賞受賞者:吉本昌弘氏(京都大学)の紹介と授与式もあわせて行われました。

学術業績賞、技術業績賞、医学部門業績賞、心理学部門業績賞については、受賞者による、授賞テーマについての記念講演も行われました。授賞式の前に開催されたシンポジウム「災害対応システムの現状と未来」では、特別賞功績賞受賞者の高森氏による受賞記念講演も行われました。

レスキューロボット・システムの研究開発において長年の功績が高く評価された高森氏、昆陽氏、深尾氏、岡田氏、近藤氏、若島氏、また、未来のレスキューロボット開発への貢献が期待される奨励賞受賞者に対し、会場からは温かな拍手が贈られました。